海江田万里

【海江田万里】【高校生にわかる政治経済】(第7回)国民投票制度について

次の国の中で国民投票の制度がない国を挙げてください。
①イギリス ②アメリカ ③日本 ④ドイツ ⑤フランス

正解はアメリカとドイツです。これらの国でも一部地域の住民を対象にした「住民投票」の制度はありますが、国を挙げての国民投票は行われません。

日本の国民投票は憲法改正に限られていて、これまで一度も実施されたことはありません。つい先日、イギリスではEU離脱の是非を問う国民投票が行われ、その結果が世界に衝撃を与えています。
イギリスで国民投票の法律が制定されたのは1975年です。フランスは国民投票に関する法律はなく、投票実施の度にデクレ(命令)が発せられます。イギリスやフランスでは、国民投票の対象は限定されていません。日本のように憲法改正に限って国民投票が実施される国は、韓国、スイス、オーストラリア、デンマークなどがあげられます。憲法改正の際の国民投票は、その結果に従って国の最高法規の憲法が改められますが、一般の国民投票では、その結論に法的な拘束力はありません。これらの国民投票が「諮問型」、「世論調査型」といわれるゆえんです。とはいえ、国民がこぞって投票をするわけですから、その結果は最大限尊重されなければなりません。EU離脱が多数になったイギリスでは、議会(下院)議員の3分の2は離脱に反対といわれていますが、イギリス下院も国民投票の結果を尊重して、EU離脱の決議を行うことになります。

日本でも原発反対の立場の人々が、「国民投票の実施」を主張しています。しかし、憲法改正以外のテーマで国民投票を行うためには、新たに法律を作る必要があります。ただ、その場合も、日本国憲法41条の規定で、「国会は国の最高機関であって、国の唯一の立法機関である」との規定がありますから、国民投票の結果は法的拘束力を持たずに、「世論調査型」となります。

日本の憲法改正のための国民投票の具体的な方法を定めた「国民投票法」はすでに制定されています。また、日本国憲法は第96条で「(憲法改正の国民による承認は)特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行われる投票において」とあるように、国民投票単独でやるか、衆議院の総選挙と合わせて行うこともあります。今度の参議院選挙の結果次第では、次の総選挙で衆議院選挙と同時に、史上初の憲法改正の国民投票が行われる可能性もあります。

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出典:http://kaiedabanri.jp/topics/201606308978.html


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