海江田万里

【海江田万里】【高校生にわかる政治経済】(第10回)税金について(その1)

今月は日本の税制について考えます。

日本国憲法第30条には「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ」と書かれています。この条文のポイントは二つあります。一つは「法律の定めるところにより」という文言です。これを「租税法律主義」といいます。かつて、国王や領主は人民に勝手に税金を課してきましたが、それに抗して立ち上がった市民は、自分たちの代表を選び、議会を作り、そこで法律を定めて課税を行う仕組みを作りました。これが近代民主主義の原点です。法律に定められていない税金を国民は払う義務はありません。

もう一つ、憲法第30条は、「第3章 国民の権利及び義務」の章に含まれます。国民の三大義務は、納税の義務の他に、勤労の義務、教育の義務ですが、権利と義務は表裏一体の関係にありますから、国民は「法律を上回る税金を課せられない」という権利も持っているのです。

日本の税金には様々な種類があります。大きく分けて国の税金(国税)と自治体の税金(地方税)の二つになりますが、ここでは国の税金について論を進めます。

国の税金にはサラリーマンや自営業者が所得に応じて払う所得税、日々の消費のたびに負担する消費税、会社が利益を上げた場合に払う法人税、酒やたばこをなどにかかる酒税、たばこ税など様々な種類があります。

ここで、それぞれの税金が1年間にどのくらい国に対して納められているかを調べてみます。

今年(2016年)の予算で税収を多い順に並べると、①所得税17兆9000億円②消費税17兆1000億円③法人税12兆2000億円となり、この3つの税金の収入で一般会計分税収の82%になります。次いで④相続税1兆9000億円⑤酒税1兆3000億円⑥たばこ税9200億円です。

これを、皆さんが誕生した18年前(1998年)と比較しましょう。18年前はその前年に山一證券が破産して、わが国の金融機関が深刻な危機に見舞われた時代です。この時の、税収は①所得税16兆9000億円②法人税11兆4000億円③消費税10兆円④相続税1兆9000億円⑤酒税1兆8000億円⑥たばこ税1兆円となっています。

所得税や法人税は、減税や景気の動きによって左右されやすい税金です。この間、一番大きい変化は、消費税の税収が法人税を追い抜いて第2位になり、税収が70%も増えたことでしょう。今や消費税抜きに日本の税制は語れません。次回は消費税について考えます。

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