菅直人

【菅直人】狂暴化する日本の資本主義

 日本経済が成長を続けていた1960年代、日本の多くの経営者は、資本家=株主の利益よりも従業員=労働者の生活を考えた経営に重点を置き、終身雇用、年功序列といったいわゆる「日本型経営」をしてきました。その結果、経営者と従業員の賃金格差が比較的小さい、一億総中流社会が実現しました。

 しかし近年、経営者の姿勢が従業員の事よりも株主の顔色を重視する経営に大きく変わってきました。従業員をリストラしても、株価を上げた経営者が評価される傾向が強くなり、経営者は一般の従業員とはけた違いの高額の報酬を手にするようになりました。

 しかも多くに巨大企業は賃金の低い国に工場をいつでも移せるなど無国籍化し、他の国に工場を移すという脅しによってその国の労働者の賃金を低く抑える力を持つようになりました。このように無国籍化した企業は利潤の極大化という資本の論理を貫徹する狂暴化した資本主義に変わってきたのです。

 本来こうした資本主義の狂暴化を抑えるのが政治の責任ですが、自民党政権は非正規雇用の拡大など資本主義の凶暴化を手助けする政策をとり続けています。今こそ資本主義の狂暴化に歯止めをかけ、分厚い中間層の復活を目指す政策を正面から提案することが重要です。それが民進党の責務だと考えています。


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