階猛

【階猛】壇上の拍手より現場の聴取―予算委質疑

img_8698-1


4日、衆院予算委員会では安倍内閣の基本姿勢に関する集中審議が開催され、民進党の一番手で質疑を行いました。

安倍首相は、所信表明演説の際、衆議院の本会議場の壇上で「現場で任務を全うする警察官や自衛隊に、今この場所から敬意を示そう」と述べ、演説を中断して立ち上がった自民党の議員らとしばし拍手していました。他方で、政府調査団の団長として岩泉町にいち早く派遣された政務官は、災害復旧に奮闘する警察官や自衛隊を前にして、敬意を示すどころか、長靴を忘れ、役人のおんぶで水たまりを渡るという醜態を演じていました。

この質疑の時点で、安倍首相は、まだ一度も岩泉町など岩手の台風被災地を訪れていません。「壇上から敬意を示すだけでなく、現場にまずは行くべきではないか」と私が質したところ、「ちゃんとやるべきことはやっている。具体的な支障が出ていればご指摘いただきたい」と強気の答弁でした。

そこで、私は、「具体的な支障」として、久慈市の中心商店街では2メートル以上浸水して商品、設備などに震災時以上の大損害を受けていることを指摘し、「震災復興の時と同じく中小企業へのグループ補助金を導入すべきではないか」と提案。しかし、安倍首相は、経済産業大臣の「検討した上で判断」という答弁を繰り返すだけでした。

また、今回の補正予算案では政策金融公庫への517億円の出資が含まれています。低利の制度融資を全国で2兆8千億円も増やすためですが、マイナス金利に加えての民間金融機関への圧迫で地方を中心に金融や経済に悪影響を及ぼしかねません。

「貴重な財源は、制度融資より、グループ補助金などに振り向けるべきではないか」と提案しましたが、安倍首相は、「民間金融機関のみでは貸し出しが困難な場合に補完するもの」として、問題ないような言いぶり。しかし、現在の金融環境では2兆8千億という規模は大き過ぎ、「補完」に留まる保証はどこにもありません。官僚にいいように操られています。

今回、安倍首相に建設的な提案をしても、残念ながら、官僚に「おんぶにだっこ」の答弁しか返ってきませんでした。国会の場で政治家が建設的な議論を進めるためには、現場に足を踏み入れ、現状をしっかり見て、現地の切実な声を聴き取ることが大切です。

安倍首相もそれに気付いたかどうかは分かりませんが、8日に急きょ岩泉町を視察されました。岩泉町と同様、高齢化、独居化、人口減少が進む全国の中山間地域のためにも、グループ補助金など、官僚の常識を超える手厚い復旧、復興支援を決断すべきです。


記事一覧