海江田万里

【海江田万里】補正予算について考える

第2次補正予算は本当に必要だったのか?

昨夕、平成28年度第2次補正予算が成立しました。今年度に入って補正予算が編成されるのは2回目です。第1次の補正予算は5月に成立していますが、これは4月に発生した熊本震災に対する補正予算で、補正予算本来の定義である「年度中に起きた、著しい社会情勢の変化や突発的な自然災害対策など、新たな財政需要が生じたときに編成される」に合致します。

しかし、今回の補正予算は、この定義に照らすと大いに問題があります。今回の第2次補正予算は8月に編成されましたから、その後の長雨や豪雨による被害などには対応できていません。

それでは、この間、著しい社会情勢の変化が起きたかと言えば、そうではありません。消費者物価は日銀が目指す2%上昇には、ほど遠い状況ですが、これは、そもそも日銀の目標設定に無理があるのです。もちろん、長期的に見てデフレは歓迎されるものではありません。

国民一人当たり2万2000円の新規借金

今回の第2次補正予算は、安倍総理が伊勢志摩サミットで空騒ぎした、「リーマンショックに匹敵する経済危機の可能性」に対して、G7国に財政出動を要請した手前、わが国が率先して、財政出動する必要があったために編成されたものです。いわば最初に、財政出動ありきの補正予算です。事実、今回の補正予算の財源として政府は2兆7500億円の国債を発行しました。2兆7500億円を国民数の1億2600万人で割ると、一人当たり約2万2000円になります。私たちは新たに2万2000円の借金を背負ったことになります。

また公共事業へ大盤振る舞い

使い道を調べると、一番金額が大きいのが「熊本地震などからの普及や防災対策」で1兆4389億円となっていますが、熊本地震の復旧・復興の金額は4135億円ですから、防災に名を借りた国土強靭化の予算が1兆円を超えています。

次いで「21世紀型のインフラ整備」の1兆4056億円です。この中には、リニアモーターカーの建設促進の費用も入っています。JR東海が自力で行うと言っている事業を今、政府が資金提供する必要があるのでしょうか。

私は、かつて「自民党政権は形状記憶合金だ」と指摘したことがあります。今回の補正予算を見て、改めてその指摘が間違っていなかったと思っています。

現在の日本で優先する政策は、少子高齢化・人口減少社会にブレーキをかけることだと考えます。そしてそれは補正予算で行うのではなく、本来の本予算で継続的に手当てすべきです。

選挙が近いから、年末にもう一度補正予算編成の可能性があると自民党内で叫ばれているようですが、「愚の骨頂」です。猛省を促します。


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