大野元裕

【大野元裕】ロシアによる北方領土への対艦ミサイル配備

先月、ロシアは北方領土への二種類の対艦ミサイル配備を発表しました。本件はきわめて深刻であり、我が国として強い対応が求められるところ、昨日質問に立たせていただいたTPP特別委員会の冒頭に取り上げましたので、ご報告させていただきます。

1)問題意識

ロシアが北方領土に配備した二種類のミサイルの内、バスチオン地対艦ミサイルは射程300kmと北海道東部全域を脅威にさらします。このミサイルは最大マッハ2.2で超低空を飛来するもので、現時点で我が国が迎撃することはきわめて困難です。
北方領土は我が国固有の領土であり、そもそもロシア軍が展開していることが軍事占領にあたります。その上に、最近では軍事施設の建造やこのようなミサイルが配備されるようになっており、ロシア軍展開の際に我が国が強く抗議したように、相手に誤解を与えることなく我が国の立場を明確にして抗議すべきものです。
その一方で安倍政権は、北方領土の一部返還に向けた交渉を行っており、その見返りに多額の経済協力を実施するとの見方があります。領土返還の交渉や和平条約の締結はきわめて重要ながら、領土を占領している相手が新たにのど元にナイフを突きつけてきているのに、ニコニコして金だけ払うようなやり方はあり得ません。
我が国の善意と地域安定への意図に対し、許されない一線を越えるような姿勢は、政府としてはねつけ、北海道民や我が国の船舶、自衛のための艦艇の安全を確保するための対応が必要です。
本件は3月に露国防相が意思を発表して予測されていたものでありますが、どうやら政府は一連の日露会談で本件を持ち出した様子はなく、24日の小生の質問で申し入れを行うことを約束して大使館の低いレベルから先方外務省の担当に申し入れを行い、さらに25日の衆議院の後藤祐一議員の質問が通告されるに到り、初めて「抗議」という言葉を使用するに到るていたらくです。
昨日から岸田大臣はロシアを訪問し、日露外相会談に臨んでいるはずですが、やはり言うべきことを言わないようではいけません。そのために質問を行わさせていただきました。なお、この質問は、岸田外相の訪露前に間に合わせるためにTPP特別委員会の機会に行われたものであるところ、議論や追求まではできませんでしたので、今後もフォローアップさせていただきます。

2)委員会でのやりとり概要

(大野)我が国固有の領土である北方領土に違法に軍事占領の形で展開するロシア部隊に新に地対艦ミサイルが配備されたと言うことです。特に、射程300kmとされるバスチオンミサイルは迎撃がきわめて困難です。そこで外務大臣に伺いますが、先方の要人と会われた際には本ミサイルの配備について強く抗議をすると共に撤回を求めるという理解でよいですか。
(岸田外務大臣)同ミサイルの配備については我が国の立場と相容れず、すでにロシアに対して遺憾である旨申し入れを行いました。今回の私のロシア訪問は、プーチン大統領訪日の一環として日露外相会談を行うことで一致したものです。今回の訪日では、平和条約締結交渉問題、あるいは二国間の様々な課題についてもしっかり議論をしていきたいと思っています。ただ、その会議の中で何を取り上げて何を取り上げないか、こういった具体的なことについては、相手のある話でありますので、予断を持って今の時点で申し上げるのは控えたいと思います。
(大野)のど元にナイフを突きつけられているようなもの、ほぼ迎撃できないんではないかとも言われているようなそういうミサイルですから、議論のための前提としてこれ(配備の撤回)が必要だということを指摘させていただきます。


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