緒方林太郎

【緒方林太郎】IR法(経緯)

 IR法をめぐっての色々な動きについてはあまり明らかにする事はしないようにと思っておりましたが、さすがにこういう事を言われてしまうと事情を説明せざるを得ません。IR審議をした内閣委員会で、現場の野党筆頭理事を仰せつかっていた事からほぼすべての事実関係を知っています。

 まず、今国会の流れについて説明します。第1回の内閣委員会(10/14)では閣僚の所信+人事院勧告の報告を受けました。そして、第2回(10/19)、第3回(10/21)の委員会で閣僚所信に対する質疑をしています。その後、第4回(10/26)に政府提出の宇宙関係2法の審議をして、我が方も賛成の上可決しています。その後、第5回(10/28)は一般質疑をやって、第6回(11/2)は政府提出の国家公務員給与法を我が方も賛成の上可決しています。

 そこから、暫く委員会は開かれていません。しかし、これはTPP採決、年金法案をめぐって国会が不正常化した事が大きな要因です。しかも、この間、私は与党から非常に要望の強かった官民データ利活用法案(議員立法)の党内討議にかなり東奔西走していました。また、参議院ではこれも与野党共に頑張ってきた「ストーカー規制法改正案」も、参議院先議で議論されていました。

 国会では不文律として「議員立法は与野党の見解が整ったものから優先的にやっていく。」ということになっており、官民データ利活用法案、ストーカー規制法改正案といった与野党合意が成立する可能性が高いものを優先するのは当然の運びです。言いたくない事ですが、もう一つ与野党が意見を一致させることが出来そうな法案がありました。「政治分野における男女共同参画法」、いわゆる「クォータ法」です。非常に関心の高いこの法案を党内議論の最終盤で荷崩れさせて留め置いているのは誰なんだ、という気持ちがないわけではありません。「党内がバラバラ」なのはそちらではないのか、と言いたくなります。

 我が方もきちんと党内調整が終わり、国会が正常化していた第7回(11/25)に「官民データ利活用法案」を委員長提案というかたちで採決しました。とても良かった事だと思っています。さて、ここで我々としては一般質疑を一回挟んで、参議院で委員長提案として可決された「ストーカー規制法改正案」を審議しようという段階でした。

(余談:ここまで読んでいただいて、宇宙関係2法、国家公務員給与法、官民データ利活用法、ストーカー規制法、IR法、クォータ法と全くタイプの違う法律がやってきている事にお気付きかと思います。共通点は「一つの省庁に収まりきらないネタ」という事だけです。なので、他委員会と違い、内閣委は何でも屋になってしまうのです。)

 そうしたら、突如先週11/29の本会議の途中に理事懇談会の申し入れがありました。内容は「明日(11/30)、ストーカー規制法改正案の採決をした上でIR法の審議に入りたい。」という事でした。普通は理事懇談会の要請は2日前、理事懇談会は前日開催で委員会立てという事でやってきております。あまりに性急な動きであり、私から「受けられない。」と答えています。そこで与党は委員長職権で委員会立てを決めます。

 加えて、我々としては、まず、2年半前に一度IR法案を審議した際の与野党合意をベースに議論したいという話はしました。当時は与野党共に、IR法案を審議するならこの程度の事はやらないとダメだという相場観があったわけです。なので、(若干修正を加えた上で)基本的にはそれを踏襲してほしい、我々が申し入れたのはこれだけです。

 しかし、怒涛の勢いで第8回(11/30)でストーカー規制法改正案の採決後、IR法の審議(我が方欠席)、第9回(12/2)の審議で採決に至ってしまいました。国家公安委員長、国土交通大臣(2年前の審議後にIR整備担当として指名)の出席は無く、参考人質疑(重要です)、地方公聴会(御関心のある地域の声を伺う)といった話も完全に反故です。

 私は内閣委員会の秋元委員長、平井筆頭理事、佐藤理事(公明党)を始めとする関係各位には色々とお世話になりましたし、今でも与野党の分を弁えつつきちんとお付き合いをさせていただいています。とても立派な方ばかりです。直感的に、遥か上の方から命令が飛んできているようにしか思えませんでした。

 恐らく批判としては、第6回(11/2)から第7回(11/25)までの時間が開き過ぎ、第8回で欠席したのはけしからん、第9回(12/2)の採決後退席したのはけしからん、それくらいだと思います。ただ、それぞれに理由があるのです。要望の強いもの、与野党で合意が成立しそうなものから丁寧にやっていた所に突然割り込んで来た上に、過去の合意を反故にして進めた経緯をすべて捨象して、冒頭の報道のような発言があるとさすがにムッとします。


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