横路孝弘

【横路孝弘】日本障害フォーラムに出席

【横路孝弘】日本障害フォーラムに出席
【横路孝弘】日本障害フォーラムに出席

 本日、JDF全国フォーラムが盛大に開催されますことに、心から激励とお祝いのご挨拶を申し上げます。本年は権利条約の具体化をめざす障害者差別解消法が施行された年でもあり、権利条約が国連で採択されて10年にあたる記念すべき年です。

 この年に相模原市の「津久井やまゆり園」における大量殺人事件が発生し、大きな衝撃を受けました。ここにご出席されいるすべての皆様にとっても、大きなショックだったと思います。異常な事件であり異常者の犯罪ですが、それだけでは問題の解決にならないのです。

 最近の教科書に子供にこうした問いかけが書かれていました。

 「ひとりひとりの命は地球より重いとよく言われますが、本当にそうなのだろうか。命より大切なものがあるのではないか。国家はどうだろう。考えてみよう。」と特攻隊について触れられていました。

 “何より命が第一です”命より大切なものがあるとは、あの犯人と同じ考えです。

 多くの人の心にある「差別」の心。

 石原慎太郎元東京都知事が施設を訪問したあと、「ああいう人に人格があるのだろうか」とか「ああいう問題は安楽死につながる」と発言。麻生財務大臣はテレビの中で「90歳を過ぎた人が老後の心配をしていた。一体いつまで生きているつもりなのだ。」「たらたら飲んで食べて寝て、何もしない人の医療費をなぜ私が払うのだ。」と発言しています。

 ヒトラーは「安楽死殺害政策」を1939年から実施し、ドイツ国内で21万6000人、ヨーロッパ全体で30万人を殺しました。戦争を遂行するにあたって、役に立たない人として心身障害者を中心に子供や新生障害児も含んで組織的に抹殺したのです。

 ネット上で犯人に共感する書き込み。命に優劣をつける優生思想。

 日本も過去にハンセン病患者に対する隔離政策や優生保護法による断種手術などを作った歴史があります。

 戦争容認の社会は差別容認の社会につながるのです。社会の病理や事件の本当のヤミを明らかにしていかなければならないという思いでいっぱいです。

 さて、障害者差別解消法が施行されました。この法律の中で様々な国・地方の組織なども参加して「地域協議会」を設立し、そこで特に「合理的配慮」についての窓口を明確にして対応していくことが求められているのですが、「協議会」の設立が遅れています。みんなで頑張って地域の理解を深めるためにも、結成していきましょう。

 私も中学生のとき大けがをして足が不自由なのですが、先日、映画をみるために映画館に行きましたら、地下2階で階段だけなのです。下に降りてから「エレベーターはないの」と聞いたら「業務用があります。お帰りのとき声をかけて下さい」と言われました。私はせめて切符の売り場に「エレベーターが必要な方は言って下さい」と表示をしなければダメだよと、障害者差別解消法の話をしておきました。

 法律が成立したからと言ってすぐに問題が解決するわけではありません。ひとり一人の皆さんが街の中で小さなことでも気が付いたら、直していく努力をしていきましょう。そうした中で、合理的配慮が自然と出来るような社会になるのです。

 本日のシンポジウムのご成功をお祈りしてご挨拶といたします。