櫻井周

【櫻井周】TPPが参議院で可決、成立

本日、参議院本会議でTPP(trans-pacific strategic economic partnership agreement)が承認されました。しかし、アメリカ次期大統領のトランプ氏がTPPからの離脱を宣言しており、そうするとTPPは発効しないことが確実です。すなわち、TPPの発効要件には、批准国のGDP合計(2013年)が原署名国12ヶ国のGDP合計(2013年)の85%以上となることがあります。アメリカ一国でGDPの6割を占めているので、アメリカが批准しなければTPPは発効しません。ちなみに、日本は18%を占めているので、日本が批准しなくてもTPPは発効しません。

なので、慌てて日本でTPPを批准しても何の利益も得られないことになります。そんなものにどうして精力をつぎ込むのか全く理解できません。

 

一方で、トランプ次期大統領は、TPPから離脱して二国間FTA(free trade agreement)を締結すると言っています。ということは、日本はアメリカかとFTAを締結することになるでしょう。問題はその交渉です。

今、日本が焦ってTPPを批准したことで、トランプ次期大統領からみれば、TPPの内容は日本にとって十分美味しいというように見えます。それならば、日米FTAの交渉のときにもっと譲歩を引き出そう、ということになります。もともとTPP合意内容は双方ともに歩み寄ってできたものであるにも拘わらずです。

ということは、日本がTPPの批准を急いだことは、今後の日米FTA交渉に悪影響を及ぼすでしょう。

ちなみに、野党がTPPに反対するのは国益に合致します。国内で反発が出るぐらいギリギリの合意だったということになるからです。もしこれが、野党も賛成でスイスイと国会承認となれば、日本はうまい汁を吸っているということになり、次の交渉のときにもっと厳しくやられてしまいます。

 

ところで、TPPの承認手続きとは別に、TPPの発効後に向けての対策予算が編成されています。もしかすると、安倍政権はTPPという大義名分で税金のバラマキをやろうとしているのかもしれません。発効しないにもかかわらず、です。おかしなことです。


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