藤末健三

【藤末健三】環太平洋パートナーシップ協定(TPP)等に関する特別委員会質疑

12月1日に開かれた環太平洋パートナーシップ協定(TPP)等に関する特別委員会で、再び安倍総理に対し質疑を行いました。

【藤末健三】環太平洋パートナーシップ協定(TPP)等に関する特別委員会質疑

まず鳥インフルエンザへの対応について、与野党関係なく、緊急事態なので一緒に対応させていただきたいと要望した後、

トランプ次期米大統領の誕生に伴い、TPP交渉の今後の見通しについて質問したところ、

安部総理より「TPPの今後の見通し、米国における見通しは、確かに非常に厳しいのは事実だが、今後とも粘り強くTPPの意義、価値について米国側に働きかけていきたいと考えている」旨の回答を得ました。

【藤末健三】環太平洋パートナーシップ協定(TPP)等に関する特別委員会質疑

また、「多国間協定と二国間協定の交渉を同時に進めていいかという議論があるが、私は二国間同時にやることは可能だと思っている。是非、可能性を否定せずに全力を挙げて経済連携協定のことをやっていかなければ国民の不安は払拭できないと思う」と述べた後、

「RCEPの議論も進めるべきではないかと思う。TPPに参加している国と、東アジア地域包括経済協定、RCEPの対象国は我が国を入れて七か国がダブっている状況。RCEPを見てみると、実はGDPで世界の約三割、そして人口で約五割、そして非常に成長力が高い地域が入っている。

我が国の経済を伸ばしていこうという考えの場合、このRCEPを進めていくという選択肢はあるか」質問したところ、

安部総理より、「TPP協定に結実した新たなルールは、RCEP、さらにはFTAAP等におけるモデルとなっていると考える。我が国としては、RCEP交渉において、TPP交渉における成果も踏まえながら、質の高い協定の早期妥結に向けて引き続き精力的に交渉を進めていきたいと考えている」との回答を得ました。

【藤末健三】環太平洋パートナーシップ協定(TPP)等に関する特別委員会質疑

次に、前回提案した、どういう国と優先順位を決め、いつまでに結ぶかということを明確にしたロードマップの作成とFTAの締結手続の定型化により、国会にきちんと通商交渉内容を公開することを要望した後、

農林水産業の在り方に関連し、農協の在り方について質問したところ、

安部総理より「不安に思う農家の方々もおられるので、丁寧に説明しながら、改革に共に取り組んでいきたい」との回答を得ました。

【藤末健三】環太平洋パートナーシップ協定(TPP)等に関する特別委員会質疑

最後に、「農家の方が絶対安心できるような農業政策を出さなきゃいけない。我々は出していきますので、よろしくお願いしたいと思う」旨、述べ、
「今回のTPPにつきましてはやはり三つの問題があると思っている。一つはやはり、守るべきものを守っていないんではないか、農業の問題、そして二つ目に、取るべきものを取っていない。自動車の問題もやはり私は不十分だと思う。そして三つ目が、大きいのは、情報の開示、あの黒塗りの資料やSBS米の調査がある」と指摘した後、

「そして、もう一つ最後あるのは、安倍総理、このTPPだけに縛られるのではなく、広いオプションを持ってやっていただきたい」とお願いし、質疑が終了いたしました。

当日の会議録は以下をご覧ください。

○藤末健三君 民進党・新緑風会の藤末健三です。
 私は、まず冒頭に、今緊急な対策が必要な鳥インフルエンザの問題について御質問させていただきます。
 十一月の二十八日に鳥インフルエンザが養鶏場などで発見され、総理は包括的な対処の指示を出していただいたわけでございますけれど、今朝の六時に確認いたしましたところ、青森では殺処分が終わり、そして関川村では五五%の殺処分が終わり、そして上越市では夜の一時から殺処分が始まったということでございます。
 しかしながら、まだまだ完全終息という状況ではないような状況でございまして、是非、養鶏事業者の方々の心配を思いますと、我々も非常に胸が痛むわけでございます。私たち民進党も一昨日から党内に連絡室を設けまして、昨日にはその連絡室を対策本部、鳥インフルエンザ対策本部に格上げし、地元の議員たちと連携しまして対応をいろいろ提言させていただいています。
 そこで、鳥インフルエンザ対策本部長の安倍総理にお聞きしたいんですが、まず一つは、十一月に韓国で鳥インフルエンザ、発見されました。是非とも、その対応を考える上で感染ルートを明確にしていただきたいと思います。この鳥インフルエンザの遺伝子を解析することによって韓国ルートか別のルートかというのもある程度分かるということを聞いておりますので、その感染ルートの特定をまず一つお聞きしたいと思います。
 そして、もう一つございますのは、韓国から来ましたこの鳥インフルエンザ、渡り鳥が運んだだけではなく、人を経由して運ばれたんではないかということも可能性はございます。ですから、韓国から直行便が入っています地方空港などで例えば消毒マットを置くなどの対策を前回もしたわけでございますけれど、その徹底などを是非やっていただきたいと思いますが、総理の御見解をお聞かせください。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確定診断の後、直ちに徹底した防疫措置を迅速に進めるように指示をいたしました。関係閣僚会議を開催をして、関係省庁、各省で情報共有を密にするなど、しっかりと対応できる体制を整えたと考えております。
 そこで、今委員から御指摘があった原因究明、これも極めて重要だと考えております。大学教授や獣医師などから編成された疫学調査チームを速やかに現地に派遣をいたしまして、野鳥の飛来状況、どういうルートをたどってきたかということでございますが、野鳥の飛来状況等の調査を行い、その結果を今分析しているところでございます。
 さらに、今年は、野鳥を含めて例年よりも早期に広範囲で鳥インフルエンザが発生をしています。このことを踏まえまして、より効果的、機動的な対応が可能となるよう、昨日、家禽業者に対する厳重な警戒の要請や予防措置の助言の実施を含む包括的な総理指示を発出したところでございまして、引き続き、やれることは全てやるとの考え方の下、鳥インフルエンザの防疫措置等に万全を期してまいりたいと思います。

○藤末健三君 鳥インフルエンザへの対応は、やはりいかに早く見付け、そして感染の拡大を止めるかということでございますので、我々も、民進党からもいろいろな提案をさせていただきますので、是非これは与野党関係なく、もう緊急事態でございますので一緒にさせていただきたいと思います。
 また、それとともに、鳥インフルエンザの拡大を防ぐとともに、例えば市場に流通する肉、鳥肉はどうなのかと、卵は食べて大丈夫なのかとかいう心配、そしてまた、いろいろ聞きますと、ペットに感染しないかというような心配もございますので、その点も含めまして対応させていただければと考えております。
 次に、TPPについて御質問させていただきますけれど、私は、今日は二点、安倍総理に質問させていただこうと考えております。
 まず一つが、やはりアメリカ・ファーストを掲げるトランプ次期大統領、もうTPPから撤退すると、二国間に絞るんだということをおっしゃっていて、本当に国民はそのTPP、これからどうなるんだろう、展望が見えない状況じゃないかと思います。その展望を是非聞かせていただきたいというのが一つ。
 そして、二つ目にございますのは、先ほど自民党の山田委員からもございましたけれど、TPPに大きな影響を受ける農林水産業、十一月二十九日に農林水産業の地域活力創造プラン、そしてまた党からは農業競争力強化プログラムなどが出されておりますけれど、本当にこの対応が、対策が農林水産業の方たちの不安を払拭できるのかどうかというのがございます。
 ですから、TPPの展望、そして農業対策について御質問させていただきます。
 まず、パネルを御覧になっていただいてよろしいでしょうか。(資料提示)
 こちらは、TPPを巡る今後のシナリオというふうに書かせていただいています。十一月の八日にアメリカ大統領選挙が終わり、トランプ候補が勝利しました。そして、安倍総理は十一月の十七日、トランプ次期大統領と会談をしていただいた。この会談を迅速にしていただいたことは評価できると思います。そして、十一月十九日にTPP首脳会合を開いたという状況です。しかしながら、トランプ次期大統領は十一月の二十一日に、大統領就任時にTPPを撤退する、そして、これからは二国間協議を進めると各国に通知をするというふうに発表しています。
 じゃ、本当にTPPはどうなるのかということでございまして、この絵にございますように、私は、基本的に今のTPPをこのまま通して成立させることはもう難しいと思っています。なぜならば、当初想定されていたのは、ヒラリー・クリントンが次期大統領になる、そしてオバマ大統領が辞められる一月までに、レームダック期間にTPPをアメリカでも批准してもらおうという計画だったはずです。それは恐らくもう無理です、間違いなく。アメリカ連邦議会の議員が交代するのが一月の三日ですから、それまでに処理しなきゃいけない。そして、その前にはクリスマス休暇があるという中で、私は無理だと思っています。今のTPPをそのまま通すのが難しい。
 では、何があるかと申しますと、一番上にありますように、TPPを否定するトランプ次期大統領が考えを変え、じゃ、TPPをやりましょうということになる、そして再交渉が始まるというのが一つの選択肢であります。私はこれも非常に難しいとは思っていますが、アメリカの話を聞いていますと、アメリカのTPP推進派は、財界の人たちですけれど、連邦議会をまず考え方を変えてもらい、議会から大統領、新しく次期トランプ大統領を説得してもらうような方法があるんではないかということを言っているそうでございます。
 そして、二番目にございますのは、アメリカが離脱をし、残る参加国、十一か国でTPPを進めるということ。私は、このままいきますと、この道になるんではないかと。我が国が批准をします、ほかの国と一緒に行きますよといったときに、アメリカが翻意をしない場合に十一か国だけでTPPはできてしまうことがあるんではないかと。そして、二番目にありますのは、米国は、トランプ次期大統領は二国間協定ですということを言っている、そして、それに対応するのであれば、日米の自由貿易協定、FTAという選択肢になるということで、私はこれは選択肢としてあり得ると思います。なぜならば、韓国とアメリカは日韓の自由貿易協定を結んでいます。そして、今我々が進めていたTPPも韓国とアメリカのFTAと同じレベルに達している。ですから、私はTPPで合意したものが日米のFTAで合意できないとは思っておりません。
 そして、三つ目の選択肢、これはアメリカを除いたFTAAP、アジア太平洋自由貿易圏をつくるということ、これはRCEP、東アジア地域包括的経済連携ということに進むわけでございますけれど、安倍総理に明確にしていただきたいのは、これから我が国がどの方向に進むのか、本当にTPPにずっと一点張りでやっていくのかどうか、その点を明確にしていただきたいと思います。お願いします。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま藤末議員から、藤末議員の御見識の下に様々な可能性についてシミュレーションをしていただいたと、こう思っております。その中で、現在この時点で私が申し上げられることについて申し上げたいと、こう思うわけでありますが、現状のTPPを推進している意味でございますが、これは、従来から申し上げておりますように、TPPには自由貿易を進化させる意義があるということでございまして、中小企業やそこで働く人々やあるいは農業者等々も含めて多くの人たちに利益が均てんされると。数年間の交渉を経て協定に結実したルールは、今後の通商交渉におけるこれはモデルとなるのは間違いないんだろうと思います。
 日本はTPP並みのレベルの高いルールをいつでも締結する用意があることを国会で承認すれば、国としての意思を示すものであり、他の交渉を加速させる力となるという意味において、この委員会においてTPPの批准をする意味はあると、現在でもそのように考えておりまして、同時に、まさに今自由貿易については岐路に立っているわけでありまして、米国の政権が政権移行期にある、また、世界に保護主義の懸念と動揺が広がっている中において、自由民主主義国家第二位の経済力を持つ日本がしっかりと意思を示していけば、これは、自由貿易を後退させないという意思を示さなければこれはまさに自由貿易は後退をしてしまうと、こう思っております。まさにここではぶれてはならない、速やかにTPP協定の御承認をいただきたいと、こう思いますが。
 そこで、TPPの再交渉については、従来から申し上げておりますように、再交渉はしないということでございまして、仮に米国から再交渉の要望があっても、それには応じる考え方はないわけでございます。
 米国抜きでの、ではTPPはどうかということでございますが、先月のペルーで開催されたTPPの首脳会合ではそのような議論にはならなかったわけでございまして、米国抜きではどうなるかということについてでございますが、これは大変微妙なバランスで成り立っているということも考えなければいけないわけでございまして、そのバランスが崩れてしまう。例えばベトナムは、国有企業についての制約を受けても、米国の市場ということの中で様々なことについて彼らも譲歩した。しかし、米国がなければまた考え方を変えなければいけないということもあって、そういう様々なバランスが崩れてしまうという問題もございます。
 そこで、TPPの今後の見通し、米国における見通しは、確かにこれは、藤末議員が御指摘になったように、非常にこれは厳しいのは事実でございますが、現段階で今後のことを全て予断することは政府としては差し控えさせていただきたいと、このように思うわけでございますが、今後とも粘り強くTPPの意義、価値について米国側に働きかけていきたいと、このように考えております。

○藤末健三君 是非、アメリカにアプローチするのであれば、例えばTPP首脳会合が十一月十九日にあったんですが、このときに共同声明は出ていないんですね。今まではずっと出ている、しかし出せなかった。私は、そこは一つの大きな問題でありますし、あと、失礼ですけど、総理はAPECで現オバマ大統領とは立ち話だけだったじゃないですか。本当にTPPを成立させよう、今のものを成立させようと考えた場合には、私は、やはりTPP首脳会合においてきちんと共同声明を出し、今のオバマ大統領にTPPを進めるべしということをおっしゃっていただくべきだと思います。
 また、残る参加国との連携というのが非常に重要だと思いますが、私はそれぞれ国の立場は違うと思います。先ほどベトナムの話をおっしゃいましたけど、カナダ、メキシコ、ペルー、オーストラリア、ベトナムなどは既にアメリカとはFTA若しくは貿易投資枠組み協定を結んでいる。一方で、マレーシアやベトナムなどは我が国と同様にアメリカとのFTAはありません。立場が違う中でやっぱり議論をしていかなきゃいけませんし、先ほど自民党の山田議員からも指摘がございましたけれども、日米のFTAをTPPと同時に議論すべきだと思っています、私は。これはトランプ大統領がおっしゃっていることですから。
 今までの議論でいきますと、多国間のものと二国間のものを同時に進めていいかどうかという議論がありましたけれど、例えば我々はASEANとFTAを結んでいます、自由貿易協定を。その中で、ASEANと議論しながらも我々は対マレーシア、ベトナムとの議論を進めてFTAを結んでいますので、私は二国間同時にやるということは可能だと思います、正直申し上げて。是非、可能性を否定せずに、もう全力を挙げてやはりきちんとこの経済連携協定のことをやっていかなければ国民の不安は払拭できないという。私は今のお答えでは払拭できないと思います。
 そして同時に、RCEPの話をちょっとさせていただきたいんですが、ちょっと画面替えてください、パネルを。
 私は、もう一つございますのは、RCEPの議論も進めるべきではないかと思います。こちらのように、TPPに参加している国、我が国を入れて七か国と、この東アジア地域包括経済協定、RCEPの対象国は七か国がダブっている状況。RCEPを見てみますと、実はGDPで世界の約三割、そして人口で約五割、そして非常に成長力が高い地域が入っています。
 我が国の経済を伸ばしていこうという考えの場合、このRCEPを進めていくという選択肢あると思うんですが、いかがですか、総理。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) TPP協定に結実した新たなルールは、これはTPPにはとどまらず、RCEP、さらにはFTAAP等におけるモデルとなっていると考えています。二十一世紀の世界のスタンダードになっていくことが期待されるわけでありまして、我が国としては、RCEP交渉において、TPP交渉における成果も踏まえながら、質の高い協定の早期妥結に向けて引き続き精力的に交渉を進めていきたいと、こう考えております。

○藤末健三君 是非、韓国がやったように、韓国は同時多発型の交渉というのをしていまして、私、政権与党時代にこの経済連携協定の担当をしていましたので、韓国には何度も行きました。そして、韓国とアメリカの自由貿易協定、FTAの議論も実際に現場で話を聞いてまいりました。
 何があるかと申しますと、今、日本のEPAやFTAのカバー率は二二・七%、一方で韓国は六七・四%となっているという状況でございまして、大きく差は開いている。特にアメリカは非常に大きな市場でございまして、車については二・五%の関税が掛かっている。実はもう韓国は二〇一六年から、韓国からアメリカに輸出する車、もう関税はゼロになっています、段階的な廃止で。二・五%の不利を日本の自動車メーカーは被っているという中で、私はやはりこのTPP、先ほど多国でやった方がいろんな問題が軽くて済みます、原産地の証明も楽ですというのはおっしゃるとおりだと思いますけれども、ほかの国との競争があります、やはりイコールフッティングの。その状況を考えたときに、私はあらゆる手段をつくってやらなきゃいけないと思っています。
 私はやはり、安倍総理、是非ロードマップ作っていただきたいんですよ。韓国がこれだけのEPA、FTAを進めたというのは、二〇〇四年に彼らはそのロードマップを作り、失礼しました、二〇〇三年ですね、韓国はFTAロードマップというのを作って優先順位を付け、どういう手続で、どういう機関で何をやるかということを決めて進めています。その結果がこれです。
 我々も、二〇一〇年、民主党が、当時の民主党の政権時代に包括的経済連携に関する基本方針というのを作り、そしてロードマップを作ろうとしたのですが、これはちょっと行き着かなかった。ただ、是非このロードマップをきちんと示し、やはりいろんな方々に関係します、経済連携協定は。きちんと、こういう手続で日本は進む、TPPも同じくこういうふうに進むということを明示していただきたいというのがまず一つございます。
 そして、もう一つありますのはこの経済連携協定の手続の問題。やはり、共同通信が十一月二十六日、二十七日に行いました世論調査を見ますと、TPP関連法案などを今国会で成立することについては慎重にやるべきということが六九・四%。十一月二十六、二十七日の世論調査です。七割の人たちが慎重にやるべきだと。やはりいろんな調査を見ますと、TPPのことが理解できていないということが大きく出ています。
 私は、韓国の事例を申し上げますと、韓国は二〇〇四年に大統領訓令でこの自由貿易協定をどう進めるかという手続を決めている。その手続は何かと申しますと、交渉する前に公聴会を開きましょうと。そして、交渉前に研究機関できちんと分析をしようと。そして、交渉段階でも国民に広報するということを決め、そしてまた二〇一一年には、通商条約の交渉の過程を国会で報告するための法律、通商条約の締結手続及び履行に関する法律を成立させています、韓国は。
 やはり我々も今、民進党はこの通商交渉の情報を国会に報告させる法案を出しています。ですから、やはり国民の理解を進めるということがこのFTA、経済連携協定を進めることになりますので、是非それを対応していただきたいということを申し上げておきます。これはお願いします、国のためにも。
 次に、農林水産業の話に移らさせていただきたいと思います。
 十一月二十九日に政府は、農林水産業の地域の活力創造本部という、これは安倍総理が本部長をなされていますが、農協改革案を含む農林水産業・地域活力創造プラン、これですね、を策定されました。
 安倍総理におかれましては、この農協改革、二〇一五年には農協法の改正を行い、農協が株式会社になれる、そして二〇一六年十一月二十八日には規制改革推進会議が農協改革に関する意見を出し、そして自民党、公明党は農業競争力強化プログラムを出したという状況でございます。ただ、私はこれを読まさせていただいたんですけれど、いずれも、相互扶助そして共助というこの協同組合、これは国際的な原則です、相互扶助、共助という原則を軽視しているんではないかと見受けます。
 民間企業である協同組合の経営に対する過剰な介入があるんではないかということで、私は、今、地元は熊本でございまして、震災もあります。そして、熊本は牛を、たしか十五万頭ぐらいいる、全国で四番目に牛が多い地域でございまして、地震の災害で、例えば南阿蘇村というところがございますけれど、何と十軒の牛を飼っている農家がもう廃業するということをおっしゃっているというような状況でございます。多くの方々がTPPに対する不満をおっしゃっているんですよ。そして、農協がどうなるんだ、農家はどうなるんだということをおっしゃっています。
 そういう中で、私は、この不安に応えるためにも、私はきちんと農協の改革をやって、きちんとしていただきたい。それは何かと申しますと、我々民進党は、農協というのは協同組合という原則で自主自立であること、そのJAグループが農家のためにきちんと自己改革を後押しする。今、自民党が出されている、政府が出されているのは、例えば全農がどういう人を雇わなきゃいけないか、そして体制をどうしなきゃいけないところまで法律の根拠もなく提言し、それをフォローアップすると言っている。それは余りにも過剰な介入だと思います。
 我々民進党は、農協がきちんと農家の所得向上を図るのみならず、例えば生活であり医療であり福祉であり、そういう地域を支える機能を位置付ける、そういう農協法の改正を目指しています。その点については、安倍総理、どうお考えですか。農協の位置付けを是非お答えください。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 農協は、まさに今組合として、この組合員のために活動をする組織であろうと、こう思っているわけでございまして、今般の改革等についてでありますが、生産資材価格の引下げや、農産物の流通や加工構造の改革や、生乳の生産流通改革など、様々な改革を盛り込んだ農業競争力強化プログラムを決定をしたわけでありますが、このプログラムによって、生産資材価格を国際水準まで引き下げ、そして農産物の流通加工構造を時代の変化を踏まえて効率的なものにしていく。また、関係業界の再編が重要でありまして、国も再編に向けた取組、例えば肥料業者はもうたくさんありまして、この結果、なかなか肥料の値段が下がらないと生産性が上がらないという点もありますから、そうした再編には国も力を貸していくということであります。
 中でも、役割の大きい全農は、生産資材の買い方や農産物の売り方を改革すれば関係業界の再編も大きく動き出します。肥料や飼料を一円でも安く仕入れて、そして農産物を一円でも高く買ってもらう、そのための努力を全農が先頭に立って行えば、農家の皆さんの期待に応えることになると思います。これは我々が無理やりやるということではなくて、このプログラムは全農とも合意の上に取りまとめられたものであります。
 しかし、ただ、今、藤末委員が御指摘になられたように、今までやっていなかったことをやりますから、不安に思われている農家の皆さんもおられることは承知をしておりますので、我々も丁寧に御説明をしていきたいと、このように思うわけでございまして、いずれにいたしましても、平均年齢が六十六歳を超えているこの農業の世界においては、改革を行わなければ守ることができないという認識の下、しっかりと改革に共に取り組んでいきたいと思います。

○藤末健三君 私も、農協が農協のためにあるというのは改革必要だと思います。ただ、協同組合というこの共助のシステムというのは絶対維持しなきゃいけないということを申し上げさせていただきます。
 そしてまた、総理が農家の方々の不安を払拭するために全てを行うということをおっしゃっていただいたわけでございますが、今回のこの法律の中で、TPP対策法の中で、例えば畜産物の価格安定に関する法律、そして砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律は、TPPが動かなければ出ないという話になっています。
 私は、今、民進党のムダ遣い解消チームの副会長をさせていただいていますけれども、昨日TPP関連予算を聞きました。これは、TPPの大筋合意がありました秋以降、何と一兆二千億円のTPP対策費が積算されているわけでございます。そのうち農業予算は六千五百七十五億円でございますが、やはり見ていると、こんなの使うのかなというのもありますし、同時に、TPPで予算を付けているのに、米や牛肉などの国内価格が落ちたときにその補填をするというための法律、それはTPPが発効しなきゃ動かないという状況になっていまして、非常に違和感を感じております。
 もうちょっと時間がございますので提言だけ申し上げますと、やはり農家の方が絶対安心できるような農業政策を出さなきゃいけないと。我々は出していきますので、よろしくお願いしたいと思います。
 最後でございますが、私は今回のTPPにつきましてはやはり三つの問題があると思っています。一つはやはり、守るべきものを守っていないんではないかというところ、農業の問題、そして支えるだけのことをしていない。そして二つ目に、取るべきものを取っていない。自動車の問題もやはり私は不十分だと思います。そして三つ目が、大きいのは、やはり情報の開示、あの黒塗りの資料やSBS米の調査とか、そういうものがあります。そして、もう一つ最後ありますのは、是非、安倍総理、もうこのTPPだけに縛られるのではなく、広いオプションを持ってやっていただくことをお願いしまして、私の質問を終わらさせていただきます。
 ありがとうございました。


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