櫻井周

【櫻井周】国連安保理で、南スーダンへの武器輸出禁止決議に日本は賛成せず

国際連合の安全保障理事会では、大統領派の政府軍と前副大統領派の反政府軍との間で戦闘が激化する南スーダンに対して武器輸出を禁止する決議案について、否決しました。
アメリカ、イギリス、フランス、ニュージーランド、スペイン、ウクライナ、ウルグアイの7カ国は、南スーダンに武器が流入することが住民の大量虐殺につながるとして、この決議案に賛成しました。

しかし、日本は、ロシア、中国、マレーシア、ベネズエラ、アンゴラ、エジプト、セネガルの7カ国とともに棄権しました。
日本は、自衛隊をPKOとして南スーダンに派遣しています。南スーダン政府に制裁を課す今回の決議案に賛成すれば、自衛隊が南スーダン政府軍の攻撃対象になるかもしれないということのようです。
でも、PKO部隊が政府軍の攻撃対象になるということは、PKO五原則が満たされていないということであり、自衛隊は南スーダンから撤退すべきです。
日本政府は、自衛隊の派遣を続けるために、南スーダン国民の大量虐殺を放置するというのでは、本末転倒です。つまり、自衛隊のPKO派遣の目的は、南スーダン国民の生命の安全であり、派遣はその目的を達成するための手段です。ところが、自衛隊派遣が目的になってしまっています。さらに、南スーダン国民の生命の安全を脅かしてまで自衛隊派遣を維持しようというのでは、本来の目的を損なってしまいます。

また、ロシアと中国が拒否権を行使しなかったことから、日本ともう1ヶ国が賛成していれば、決議案は採択され、南スーダンへの武器輸出が禁止されていたはずです。武器輸出禁止できなかったことで大量虐殺が起きた場合、安倍政権と我が国の国際社会と人道に対する責任が問われます。

これまで、安倍政権は、憲法をないがしろにしてきましたが、このような自衛隊の運用は自ら制定した法律をもないがしろにするものです。私は昨年9月に成立した安全保障関連法に反対していますが、それすらも順守されない現状に危機感と憤りと未来への不安をおぼえます。


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