海江田万里

【海江田万里】安倍総理の訪米について

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旧民主党の元代表で、民進党東京都第1区海江田万里総支部長が、安倍総理とトランプ米大統領の首脳会談が開催されたことを受けて、トランプ政権との経済や安全保障の交渉における間合いの取り方等について解説しています。

出典 : http://kaiedabanri.jp/opnion/2017021010157.html

本日、安倍総理が日米首脳会談に臨むためにワシントンに到着しました。この後、安倍総理はワシントンのホワイトハウスで日米首脳会談を行い、大統領専用機でマイアミのトランプ大統領の別荘(というよりリゾート施設)に赴き、そこで2泊する予定です。この報道を聞いて、私の脳裏に、次の二つのことわざが浮かびました。

ひとつは、「虎穴に入らずんば虎児を得ず」。中国の故事に由来することわざですがですが、少産の虎は虎の子という言葉があるように、貴重なものです。その貴重なものを手に入れるためには、多少のリスクは冒さなければならないという意味で使われます。日本にとって貴重なものというのは、日本の安全保障の後ろ盾に、アメリカになってもらおうというものでしょう。

もうひとつは「ミイラ取りがミイラになる」です。これは江戸時代から使われていた和製のことわざです。昔ミイラと呼ばれる薬があったようで、この薬を取りに行った人が、屍のミイラになってしまうとの意味から、ある人物を説得しようと赴いた人が、反対に説得されて、当初の目的が果たせなくなったときに使われます。今回、安倍総理は、貿易問題などでアメリカの誤解を解きに行くといわれていますが、反対にトランプ大統領に説得されて、不公平な貿易協定に至る流れになりはしないかという恐れがあります。

安倍総理とトランプ大統領との首脳会談が難しいといわれるのは、トランプ大統領には、アメリカ国内でも多くの反対派がいることです。トランプ大統領がどう強弁しようと、彼の大統領就任を祝っている人はアメリカ人の半分しかいないということで、しかも残りの半分の人たちは、トランプ大統領の就任と、その後、連発する大統領令などに強く反発している人たちです。国内での支持基盤ということでは、歴代で一番弱い大統領だという事実です。

加えて国際的にも、特定の国民の入国禁止令などの政策を巡って、これを非難する世論もあり、この状況下でトランプ大統領との親密さをアピールすることにより、日本が世界的な信用を失うことになるのではとの心配があります。

一番、大切なのはトランプ大統領との間合いです。剣道でも柔道でもそうですが、相手の懐に入りすぎては、技が繰り出せなくなり、遠すぎては、剣が届きません。「不即不離」という微妙な間合いの取り方ができるかどうかに、勝負はかかっているのです。

日米間では、先日のマティス国防長官の訪日によって、安全保障面での日本の懸念はほとんど払拭されています。トランプ大統領は安全保障面についてマティス国防長官に委ねると公言していますから、これを覆すことはあり得ないと考えていいでしょう。剣道などの試合に例えれば、すでに日本はアメリカから一本取っています。トランプ大統領の最大の関心は国内経済ですから、今度は貿易・経済面でアメリカが一本取る番だ、と考えているふしがありますが、その手に乗る必要はありません。安倍総理には貿易・経済面での妥協は一切しないで、トランプ大統領の話だけ聞いてマイアミから帰ってきてもらいたいものです。


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