海江田万里

【海江田万里】【高校生にわかる政治経済】(第11回)予算案と予算

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旧民主党の代表であった民進党東京都第1区海江田万里総支部長が、明治憲法(大日本帝国憲法)下での予算や法律の成立過程を説明。国民によって選ばれた国会議員が議論をして、予算や法律を成立させる現行憲法の制度の意味を問うています。

出典 : http://kaiedabanri.jp/topics/2017022310211.html

①「平成29年度の予算案が国会で成立」②「平成29年度の予算が国会で成立」
正しい表現はどちらでしょうか?

正解は、②の「予算が成立」です。
①の「予算案が成立」というのは、明治憲法下の帝国議会においての表現でした。
一般の法律の場合も、同様です。現在の国会議員の中にも、「予算案が成立」とか「法案が成立」などと間違える人がいます。これは明治憲法と現在の憲法の違いを正しく理解していない人だと言われても、抗弁できません。
明治憲法下の国会は現在のような、完全な立法機関ではなく、憲法の規定では「協賛機関」(同意する機関)でした。ですから、国会では、予算や法律について議論を行い、予算案や法案の採決を行いますが、最終的には天皇に裁可を仰いで、その時点で、「予算」や「法律」になっていました。
ただし、天皇がすべてを決めて、国会は全く無力だったということではなく、帝国議会が誕生してから、国会の議決が、天皇の不裁可によって覆ったという事例はありません。その意味では帝国議会も「立法機関」としての役割を実質的に果たしていたと考えられます。
もっとも、軍隊(帝国陸軍・帝国海軍)を指揮命令する権限(これを統帥権と呼びます)は、天皇にあり、軍部が力を持った昭和初期には「統帥権干犯」といって、議会が軍縮予算案を議論することに圧力をかけた歴史もあります。
また、明治憲法下では天皇には、法律とは別に、議会の関与が許されない「緊急勅令」や「独立命令」を出す権限がありました。
国民によって選ばれた国会議員によって構成される国会で予算や法律が議論され、成立することの意味を、もう一度考えるべきではないかと思います。

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