山内康一

【山内康一】共謀罪の街頭演説メモ

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民進党福岡県第3区山内康一総支部長が、自身が街頭演説で共謀罪法案に関して話す際のメモを公開しています。共謀罪法案の何が問題かが簡潔にまとまっています。

出典 : http://www.kou1.info/blog/politics/post-1455

共謀罪に反対する動きは、あまり盛り上がっていません。世論調査を見ても支持する人が多いようです。しかし、共謀罪を支持している人たちは、この法律の問題点を正確に認識したうえで支持しているのでしょうか。政府が「テロ等準備罪」という名前にしたので、なんとなく「東京オリンピック・パラリンピックのテロ対策のために必要なんだろうなぁ」という程度の認識で支持している人が大半だと思います。

十分に審議をして議論が深まったわけでもないのに、このままだと「共謀罪」が国会で成立してしまいます。共謀罪成立を阻止するため、福岡市天神で街頭活動を行っています。天神の中心部でマイクを握るのは緊張します。刑法は得意分野ではないので特に緊張します。街頭演説中に頭が真っ白になってしまうと困ります。事前に話す内容を十分に検討してメモを作っておかないと、天神のどまん中で10分間話し続けることはできません。そのときのメモの内容を箇条書きしてご紹介させていただきます。

1.政府が共謀罪が必要と言っている理由はふたつ。ひとつは「国際条約の締結のため」、もうひとつは「東京オリンピック・パラリンピックへ向けたテロ対策のため」です。

2.その国際条約とは、2000年に国連総会で採択された「国際組織犯罪防止条約」です。この条約が念頭に置いているのは主に経済犯罪であって、テロ対策ではありません。もともとマフィアや暴力団が行うマネーロンダリングや人身売買を処罰することを目的とした条約でテロ対策とは関係ありません。政府はテロ対策のために「バスに乗り遅れるな」とあおっていますが、世論を誤った方向へ導こうとする印象操作に過ぎません。

3.安倍政権は「共謀罪を成立させないと、国際組織犯罪防止条約を締結できない」と主張していますがウソです。共謀罪を導入しなくても、組織的な犯罪集団への実効的な行動を取ってさえいれば国際条約を締結でき、現行法で十分対応できます。

4.政府は共謀罪のことを「テロ等準備罪」と呼んでいますが、もともとテロ対策とは関係ない法案でした。テロ対策は後付けの理屈です。したがって、共謀罪があればテロ対策が進むというわけではありません。実効性はあまりないでしょう。森林法、所得税法、著作権法など組織犯罪やテロとは無縁で、未然防止が必要とは考えられない犯罪についての共謀罪を作ってもテロ対策にはなりません。別のテロ対策法案を議論した方がより有効です。

5.なお、民進党はテロ対策強化に実効性のある対案として、水際での航空機のハイジャック防止やテロリストの入国を防ぐ「航空保安法案」と、組織的な人身売買や詐欺を未然に防止する「組織的犯罪処罰法改正案」を国会に提出しています。テロ対策に照準を合わせた法律の方が、より効果的だと思います。

6.安倍総理の「2020年の東京オリンピック・パラリンピックのために共謀罪が必要だ」という主張も後付けです。共謀罪の制定や国際条約の締結は国際オリンピック委員会の要請ではありません。共謀罪がテロ対策のためではないことが明らかであり、オリンピックにかこつける必要性はありません。オリンピックの政治利用以外の何物でもありません。

7.共謀罪の必要性はありませんが、一方で共謀罪には多くの危険性があります。国会審議を通して、捜査の裁量次第で、一般の国民や団体に不必要な監視の目が向けられることが明らかになってきました。政府は、「共謀罪」が、テロ集団や組織的犯罪集団だけを対象とするかのような説明をしていますが、実は一般の市民も対象となりうることがわかりました。なぜならどんな一般人も捜査対象になった段階で「一般人」ではなくなるからです。共謀罪制定によって懸念されるのは、日本が監視社会になることです。この法律で罪とする「共謀」、すなわち犯罪の計画・相談があるかどうかを把握しようとすれば、どうしても盗聴や尾行など行動監視が必要になります。

8.共謀罪は「何を犯罪とするか」が不明確です。まず「組織的犯罪集団」とはどのような集団なのかがわかりません。何をすれば「共謀」したことになるのかも明らかではありません。何をしたら「計画」したことになるのかもわかりません。「何が計画にあたるのか」ということについて、政府の答弁はあまりに曖昧です。これでは、現場で捜査機関がいくらでも恣意的に運用できてしまいます。犯罪の構成要件が不明確ということは、「何が犯罪か」を捜査機関が決めるということになり、恣意的な捜査を許すことになります。


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