山内康一

【山内康一】森友・加計学園にみる安倍官邸の霞が関支配

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民進党福岡県第3区山内康一総支部長が、米国が司法や議会の行政に対する強力な監視権限があるのに対して、日本は行政トップ(安倍総理)の暴走を止める機能が弱体しており、加計学園問題に見られる官僚の反乱は数少ない暴走を食い止めるための安全装置だと述べています。

出典 : http://www.kou1.info/blog/politics/post-1526

森友・加計の2つの学園物語は、安倍政治の特色をよく表しています。安倍政権の「教育再生」と称する教育政策は、①戦前回帰型の思想教育(道徳教育、愛国心教育)、②新自由主義的な市場原理の教育現場への導入、の2点が特色です。

教育勅語を暗唱させる森友学園は、戦前回帰型の右派のお友だち優遇。規制緩和の加計学園は、新自由主義的なお友だち優遇。どちらも安倍総理のお友だちへの補助金ばらまきの利益誘導です。政治の私物化、教育行政の私物化です。公平性の観点からも、教育の質の観点からも問題です。

加計学園問題では元文科事務次官と官邸が対立しています。首相補佐官が「総理の意向」をふりかざし、文科省に「忖度」をせまる構図は異様です。安倍政治では官邸主導で何でも決まり、各省庁の出番は少ないです。官邸の秘書官や補佐官が絶大な力を持ち、各省庁の役人をアゴで使い、江戸時代の「側用人政治」のようです。側用人が「官邸の意向」という印籠を出すと、他省庁の役人は「ははっー」とひれ伏し、「忖度」せざるを得ません。

いまの安倍官邸を牛耳るのは、経産、警察、国交の「3K」官庁の出向者たちです。そのため経産省主導の原発再稼働、警察庁主導の共謀罪、国交省主導の公共事業ばらまき等の政策が強力に推進されています。しかし、「3K」以外の官庁はおもしろくありません。

経産省出向者が「官邸外交」を仕切っており、外務省職員の多くはおもしろくないことでしょう。最近のあまりに近視眼的で短期的利益追求型の「経済外交」は、経産省官僚の発想です。外交に理念や国際公共益を求める外交官は、「経済外交」至上主義を苦々しく思っていることでしょう。

文科省職員のなかには、教育に市場原理や競争原理を持ち込み、公教育の土台を崩してきた「教育再生」を苦々しく思う人もいることでしょう。教育には市場原理がなじまない部分が多いため、教育の行き過ぎた市場化・私事化は誤った方向性だと多くの教育学者は考えます(私もそう思います)。前川元事務次官のたった一人の反乱も文科省内の静かな支持を得ているのかもしれません。

アメリカのいわゆる「ロシアゲート」疑惑をみても、アメリカでは行政府トップの大統領の権力を縛るため、司法や議会に強力な監視権限があることがわかります。それに対して日本では、司法の独立性も弱ければ、議会のチェック機能も弱く、行政府のトップ(=安倍首相)の暴走を止めるメカニズムが弱体です。安倍一強の暴走をくい止めるには、行政内部の反乱は数少ない安全装置かもしれません。森友・加計学園をきっかけに安倍政権の霞が関支配に亀裂が見え始めたのかもしれません。


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