風間直樹

【風間直樹】【森友学園問題と会計検査院の調査】

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民進党の風間直樹参院議員が、会計検査院が森友学園問題の調査内容を国会に報告したことを受け、会計検査院の特徴について説明しながら、今週開かれる予算委員会における質疑のポイントを解説しています。

出典 : http://www.kazamanaoki.com/2017/11/%e3%80%90%e6%a3%ae%e5%8f%8b%e5%ad%a6%e5%9c%92%e5%95%8f%e9%a1%8c%e3%81%a8%e4%bc%9a%e8%a8%88%e6%a4%9c%e6%9f%bb%e9%99%a2%e3%81%ae%e8%aa%bf%e6%9f%bb%e3%80%91/

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171121/k10011230551000.html
森友学園問題 値引きは根拠不十分 会計検査院が国会に報告へ
11月21日 15時29分森友学園問題

会計検査院が森友学園問題の調査を行い、内容を国会に報告しました。
週明けの衆参予算委員会で質疑が行われます。

以下、質疑のポイントを考えてみましょう。

①会計検査院は憲法上の機関です

憲法上の機関、というのは憲法にその存在が明記されているということです。
会計検査院の場合、第8章の財政、第90条に書かれています。
なぜ憲法に書かれているかというと、他の行政機関とは一線を画した機関だからです。
会計検査院は、行政に対するチェックを行う上で大変重要な機関だから明記されています。
私たち国会議員が国会質問する際、その行政機関が憲法に根拠をもつ場合には、「ああ、憲法上の機関だな」と留意して質問をします。
今回の場合、会計検査院は行政監視を行う上で、行政権を行政府に(政権担当の期間、一時的に)与えている国民に対して大きな責任を有しています。
国会質疑では、会計検査院がこの自己認識をしっかりもって調査に当たったのか否かが、まず問われなければならないでしょう。

②会計検査院法で超強力な権限が与えられています

まず、会計検査院は内閣から独立しています(会計検査院法第1条)。
独立しているとはどういうことか。
調査対象である内閣(=省庁)に従属せず、そのお世話にならず、法律に則り厳正誠実に調査を行うということです。
もし問題があれば会計検査院法に基づきビシバシ調査をし、必要な帳簿や書類の閲覧要求、現場調査などを実施するということです。
会計検査院の武器となるのが以下の法律です。

●会計検査院法

第二十条
2 会計検査院は、常時会計検査を行い、会計経理を監督し、その適正
を期し、且つ、是正を図る。
3 会計検査院は、正確性、合規性、経済性、効率性及び有効性の観点
その他会計検査上必要な観点から検査を行うものとする。

第二十五条 会計検査院は、常時又は臨時に職員を派遣して、実地の検
査をすることができる。この場合において、実地の検査を受けるものは、
これに応じなければならない。

第二十六条 会計検査院は、検査上の必要により検査を受けるものに帳
簿、書類その他の資料若しくは報告の提出を求め、又は関係者に質問し
若しくは出頭を求めることができる。この場合において、帳簿、書類そ
の他の資料若しくは報告の提出の求めを受け、又は質問され若しくは出
頭の求めを受けたものは、これに応じなければならない。

第二十八条 会計検査院は、検査上の必要により、官庁、公共団体その
他の者に対し、資料の提出、鑑定等を依頼することができる。

今回、26条に基づき、会計検査院は財務省に必要な帳簿や書類の閲覧要求をきちんとしたのかどうか?
また25条や28条により、値引きの積算根拠となったゴミの埋蔵量を正確に把握するため、現場の掘り起こしなどの調査を実施したのかどうか?
これら法律は、検査院に武器として与えられている権限なのです。
問題が起きたとき、”行政権を一時期政府に与えている国民”に対して「このような調査をしました」「その結果こうでした」としっかり説明するために。

③実は会計検査院は、他の省庁と「特別な関係」にあると言われています

上記の掘り起こしによる調査です。

●会計検査院法

第二十八条 会計検査院は、検査上の必要により、官庁、公共団体その
他の者に対し、資料の提出、鑑定等を依頼することができる。

もし国会質疑で会計検査院が、『単に「依頼することができる」という規定で、我々には権限不足なんです』というのなら、
会計検査院法の改正を提案する必要が出てきます。

例えば「この場合において、官庁は、これに応じなければならない。」と付加するような内容です。

私は、なぜ会計検査院が現場の掘り起こしをしなかったのか考えています。
おそらく、会計検査院と財務省の特別な関係を踏まえれば、検査院には難しかったのだろうかと思います。
特別な関係とは、財務省職員を会計検査院の主要ポストに受け入れる一方で、会計検査院OBの再就職を財務省が面倒見る、というものです。
このように、会計検査院の会計検査機能については、古くから天下りが原因で各省に対して遠慮があるとの指摘があり、また伝統的に財務省との人的なつながりが強いのです。

また、自分たちが会計検査で「問題あり」と指摘した団体に、検査院のOBが再就職している事例が多数あります(平成19年から平成28年までに計20人、2017年3月3日参議院予算委員会 風間直樹質疑)。これら団体には、省庁の所管団体が多く含まれています。

果たしてこれで、内閣から独立した機関と言えるのでしょうか?
「あんたらの世話にはなっていないから、法律に基づいてビシバシ調査するよ」と省庁に言えるのでしょうか。
「納税者のお金を公正公平に使っているか、正々堂々と私らは調べています」と国民にいえるでしょうか。
会計検査院の顔は納税者である国民を向いているのか、調査対象だが再就職の世話をしてくれる省庁に向いているのか、どちらなのでしょうか。

④会計検査院は会計検査院法を誠実に執行せよ

こうした特別な関係を清算し、会計分野の常時監視機関として、検査院は「法の誠実な執行」の確保に貢献しなければなりません。
だから私は国会質疑の度に言うことにしています。「会計検査院は会計検査院法を誠実に執行してください」と。

憲法機関で内閣から独立の地位にある会計検査院が、この権限を本気で行使すれば事件の解明はもっと進むはずです。
このような考えで繰り返し繰り返し、国会質疑に臨みたいと思います。
繰り返されると会計検査院は本当に嫌だと思います。
でもこれが行政監視、国会議員の仕事です。だから繰り返しやります。


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